今までたくさんのバイヤーさんと商談をしてきましたが、意外と思われる事実があります。それは、バイヤーさんは意外と試食せずに商品を採用されることが多いということです。
「食品なのだから味を見てくださるのではないのですか?」と思われるかもしれませんが、そうではないことが結構多いのです。
ではバイヤーさんは何を見ているのか。それは、自店のお客様が買ってくれそうかどうかです。バイヤーさんは自店のお客様に代わって商品を見定めています。
ではお客様は初回の購入で何を基準にしているのか。お客様は売り場で試食販売をしていない限り、美味しいから買うということになりません。なのでお客様が購入を決める基準は、目に入ってくる情報だけということになります。目に入ってくる情報とは何でしょうか。商品名・パッケージ・POP・プライスです。
商品=価値/価格。どれだけの価値があって、それがいくらなのかをお客様は見ています。なので、いかにその商品の価値が高いのかをメーカーはアピールしなければなりません。どんなこだわりで作ってるのか、誰が作ってるのかなど。パッケージがかわいいオシャレというのもとても大切です。
価値がすごく伝われば、少し高くてもお客様は買ってくださる可能性が高まります。利益を少しでも多く確保するためにも、価値を伝えることに知恵を絞りましょう。
POPをつけられるのにつけないというのは、とてももったいないです。価値のアピールをせず、ただパッケージだけを見て買ってくださいと言っているようなものです。
POPに載せる写真のクオリティーもとても大切です。できればプロに撮ってもらった写真を使いましょう。余談ですが、写真だけを見て仕入れを決めるバイヤーさんもおられます。というぐらい写真は大切です。
お店によっては、POPがつけられないお店もあります。そこも考慮して考えなければならないのはパッケージデザインと商品名です。デザインはデザイナーさんにお願いするべきです。当然デザイン費はかかりますが、商品が売れて回転するのであればその投資は生きた投資です。
商品名にも知恵を絞りましょう。価値がしっかり伝わるように、文章のように長い商品名や、人が話しているかのような商品名もアリです。
以上のことから見えてくるのは、メーカーさんがよく言う「ウチの商品は美味しいんだけど売れないんだよな〜」の理由です。その理由とは、「お客様の目に入る価値情報の精度を上げれていない」です。
食品なので美味しいことはとても大切です。しかし美味しいという情報は、2回目以降の購入で初めて生きてくる情報なのです。
Comments