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昨日に引き続き、福祉事業所の工賃向上という課題に風穴を開けた仕組みについてお話します



一番最初にやったことは、当社からのOEMの依頼です。今から10年前のお話です。


まずは私が商品企画を考えました。


和歌山はみかんと柿が収穫量全国1位ですが、みかんの花と柿の花をミツバチが両方採ってきて体内でブレンドするという稀少なハチミツがあります。その蜂蜜をつかったバウムクーヘンを企画しました。


私はパティシエではありませんのでレシピ開発ができません。


ですのでレシピ開発は経験豊富なパティシエさんにお願いしました。


レシピ開発のあとはOEM先である福祉事業所さんに試作してもらうわけですが、レシピだけをお渡ししてもうまくいかないと思い、パティシエさんに技術指導に入ってもらいました。


商品に貼るオリジナルのシールはデザイナーさんにお願いしました。


余談ですが、福祉事業所の商品は、パッケージにあまりお金をかけない例が多く、シールでも自分たちで作ってプリンターで印刷したものをカットして貼るというものが多いですが、それだと商品価値を感じにくくなってしまうので、そこはデザイナーさんにお願いして作ることをオススメしています。


話を戻します。福祉事業所さんでしっかり作れるようになり、デザイナーさんにデザインしてもらったシールもできあがって商品は完成、あとは営業活動です。


営業は当然私が担当です。和歌山県下のお土産店さんやスーパーさん、百貨店さんに1件1件営業し、注文数を増やしていきました。


ただ納品するだけでなく、たくさんお買い上げいただけるようにPOPも作りました。




このバウムクーヘンは今でも人気商品で、新規の取引先も今でも続々増えております。


商品を考えて販売までに至るフローは、企画、開発、製造、営業となります。




普通は福祉事業所さんが企画から営業まで全てを自分たちでこなして売上利益を得て工賃をお支払いするわけです。


私が風穴を開けたのは、企画、開発、営業は私とパティシエさんとデザイナーさんでおこなうので、福祉事業所さんはOEM製造に特化してもらうということです。


福祉事業所利用者さんは作ることに専念し、福祉事業所職員さんは利用者さんをサポートすることに専念する。


私は企画と営業に専念し、パティシエさんはレシピ開発と技術指導に専念し、デザイナーさんはデザインに専念する。


それぞれの得意を持ち寄りチームで仕事をするというスタイルです。


このOEM依頼からさらに派生して、福祉事業所さんが元々持っていた商品の営業も当社が代行するようになりました。


その商品力があるのに売れていなかった原因は、明らかに職員さんが営業に行けていないだけでした。私が代わりに営業に行くことで、お取引先はどんどん増えていきました。


そして、私が福祉事業所さんの営業を代行していることを見ておられた民間の企業さんから、「そんなことやってるんだったらウチの商品も営業してよ」という依頼が増えてできたのが、今の地域商社です。


「作る人、売る人、それぞれの得意に特化してチームで仕事する」を、福祉事業所さんを含む食品の世界で広げていくことが私の使命です。


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