先日、商品をパッケージにセットする作業を障がい福祉事業所さんに外部委託したいという食品メーカーさんからご相談を受けました。
ご自身で何件か直接連絡してお話したそうなのですが、うまく話がまとまらず、私が福祉業界との関係が深いこともあってご相談くださった次第です。
民間の食品メーカーさんと福祉事業所さんとのやりとりがとても難しいことを、私は経験上知っております。
大きく言いますと、お互いの共通言語がないことが原因であると思っております。
民間の食品メーカーさんが言っていることを福祉事業所さんは理解することが難しく、福祉事業所さんが言っておられることを民間の食品メーカーさんが理解することも難しいのです。
世の中には、民間と福祉の連携を目指して、マッチングさせる話がよくあります。
しかし、共通言語のない民間と福祉をマッチングさせるだけではまとまりにくい。
「お繋ぎしましたので後はお二人でまとめてください」
だけは難しいのです。
私は民間の食品メーカーさんのこともよく分かりますし、福祉事業所さんのこともよくわかります。
それぞれが何を求めていて、どこで折り合いをつけるべきなのかもよくわかります。
ですので、マッチングはもちろんしますが、その後のチューニング(調整)もおこないます。
それにより、福祉事業所さんのOEM受託の案件をたくさんまとめることができていると自負しております。
一番難しいところは、お受けする仕事を単価いくらで提案するかです。
福祉事業所さんは雑貨関係の袋詰め作業などをしている方が多いですが、その単価は依頼主の言い値であることが多いです。
仕事がほしいと思っている福祉事業所さんとしては、言い値であってもすぐに仕事が発生するなら嬉しいと感じ、受託します。
しかし単価が1個何十銭という、1円も切るような単価でいくら仕事をしても、利用者さんの工賃(お給料)に大きく反映はさせられません。
それで疲弊してしまっている福祉事業所さんを私は今までたくさん見てきました。
OEMも下請けに近いところはありますが、価格決定権は福祉事業所側にあり、適正な単価を算出できれば、適正な工賃を支払うことができます。
しかし、元々言い値の下請けをやってきた福祉事業所さんは、どう計算して単価を算出して見積書作成をすれば良いかがわからない方が多いのです。
だからと言って、依頼主に「計算のやり方を教えてください」と聞くわけにもいきません。
それが民間企業さんとのOEMがまとまりにくい最大の要因です。
この両者の間に入り、マッチング&チューニングできる私のような人の育成にも、今後力を入れていきたいと思っております。
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