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前回、前々回の投稿にて、商談のアポを取って商談でバイヤーさんにご提案をして、バイヤーさんのご要望も探るというお話をしました。


ここからが商談の最終局面「条件を詰める」です。


まず、取引には委託と買取という2つの方法が存在します。委託販売というのは、商品を販売店さんにお預けして、売れた分だけをお支払いいただく取引です。買取というのは、ケース単位で買い取っていただく取引です。仕入れていただいた時点で売上が立ちます。


委託よりも買取の方がメーカーさんの手離れが良いことは明らかです。委託販売となると、賞味期限の管理もメーカーさんが担当となりますし、売れ行きを追いかけて商品の補充をするのもメーカーさんとなります。物理的距離が理由で取引が難しい場合も出てきます。


手離れの良さを考えて、できるだけ買取で話をまとめたいところですが、委託か買取どちらでお取引されているかは商談してみないとわからない販売店さんが多いです。スーパーさんや問屋さんはほぼ買取、産直市場系はほぼ委託です。百貨店さんは取引の仕方によります。お土産店さんは話してみないとわからないです。お土産店さんについては、買い取りますが期限が近づいたら返品交換してくださいという方もいます。


ということで、本題の「条件を詰める」は、まず買取なのか委託なのかを聞く必要があります。商品の紹介をしている中で、バイヤーさんが発する言葉でどちらの取引形態かがわかることもあります。「うちは委託なんでね〜」なんて言葉が出てきたら、委託か買取かを聞く必要もなくなります。バイヤーさんの発する言葉をよく聞いておきましょう。


メーカーさんが委託と買取どちらでも対応可能だとしても、できるだけ買取にしてほしいわけですから、正直に「どちらでも大丈夫です!」と言わないほうが良いです。そう言ってしまうと販売店さんはリスクの低い委託を選ぶ可能性が高いからです(販売店さんによっては、買い取って自社でリスクを抱えることで売ることに力を入れたいという方もおられます)。


買取か委託かがわかったら、最後は一番大切な掛率(かけりつ)です。販売価格(上代)に対して何%で卸すかという条件を詰めていきます。


80%であれば「8掛け」という言い方をこの業界ではします(私がこの世界に入りたての頃、掛けと言う言葉がよくわからなかったので、あえての説明です)。掛率の交渉については以前投稿した“見積書は掛率を確定してから作ろ〜商談での掛率交渉テクニック〜”を参考にしてください。


委託か買取のどちらか、掛率は何掛かを詰め切った後はどうなるか。その場で口頭にて注文をくださるか、「検討しますね」と言われて終わるかどちらかです。注文をくださるのであればその場で納品日まで詰めてしまいましょう。検討しますねと言われたら、見積書をメールでお送りしますねと伝えてください。


見積書をメールで送ったら、見積書をお送りしましたのでご確認くださいの電話、その1週間後ぐらいにご検討いただけましたでしょうかの電話、まだ検討できてないと言われたらまたその1週間後ぐらいにいかがでしょうかの電話をしましょう。それでも流されたら本件は今すぐの注文は難しいのだと思います。


ただ、タイミングがズレれば注文くださるかも知れませんし、担当さんが変わったら注文くださるかも知れません。今すぐの注文をもらうという結果に繋がらなかったとしても、その販売店は委託か買取どちらで何掛で取引してもらえるという情報を入手し、担当さんの名刺をいただくというだけでも、長期的に見れば大切な成果であると考えてください。


例えばいただいた名刺のアドレスに、定期的に新商品や季節企画のメールマガジンを送っていれば、先方から問い合わせがくるタイミングが来るかも知れません。


いつか振り向いてもらえるようアタックし続ける、そんな気持ちが大切なのだと思います。


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