先日、実店舗で洋菓子店をされている社長さんとお話をしました。
卸用の商品を作って販路開拓をしたいので、展示会に出展することを決めたとのことでした。
お話をしたのは7月で、11月に出展の予定なのですが、現時点でどこまで準備できているのかを聞いていくと、そもそも何を準備すればよいのかわからないということで、原価計算のこと、ロットのこと、成分表記のことなど、一通りお伝えしました。
それらの準備をおこなっておけば、出展するための体裁は整えることができます。
お話をしている中で一番課題だなと思ったのは、展示会後の心構えでした。
その社長さんは、展示会にさえ出れば、展示会当日またはその翌日から、名刺交換したバイヤーさんから注文の連絡が殺到するのだと思っていました。
実店舗の売上が伸び悩む中、起死回生の一手として展示会出展を目指しておられる。それは素晴らしいと思うのですが、展示会にさえ出ればあとは大丈夫なんてことは絶対にありません。
展示会後のフォローこそが、展示会をきっかけとしてご注文いただけるかどうかの一番のポイントとなります。
ただ、そういう私も、13年前に初めて展示会に出展した時はそう思っていました。だからこの社長さんのお気持ちはすごくよくわかります。
展示会出展の経験を重ねていく中で、当社はフォローの精度を少しずつ上げてきています。
ここで当社の展示会フォローのやり方をご紹介します。
まず、ご挨拶したバイヤーさんには、その日のうちに御礼メールを送っています。
以下は、以前当社が出展した展示会の御礼メールです。
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お世話になっております、株式会社コンフォートの山添と申します。
◯◯展示会にて瓶入りティラミスなどを展示しておりました会社です。
このたびは、添付画像の当社ブースにお立ち寄りいただき
誠にありがとうございました。
当社では本日ご覧いただいた商品をはじめ、
和歌山の食品を多数取り扱っております。
ぜひ当社ホームページをご覧ください。
ご不明点などございましたらいつでも山添までご連絡ください。
今後とも宜しくお願い致します。
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展示会ではバイヤーさんがたくさんのブースでご挨拶されるので、時間が経つにつれ当社に立ち寄ったことも忘れてしまいます。
そうならないように、その日のうちに御礼メールを見て思い出してもらえるようにしています。
御礼メールにはブースの写真を添付しております。ブースの写真を見ればすぐに思い出していただけるからです。
このメールを見て、バイヤーさんからご連絡くださることもありますが、それは稀なことです。
さらにこちらからフォローをかけていく必要があります。
次のフォローは電話です。
当社では、名刺交換させていただいた方の中で、電話フォローすべきバイヤーさんを選び、展示会終了から3営業日後までには電話することにしています。
お電話したタイミングで、御礼メールを見てくださっている確率は高いので、御礼メールを見てくださっているかの確認とあらためて御礼の言葉を述べます。
そして、より具体的なお話をしたい旨を伝え、直接訪問かオンライン商談のアポイントを取ります。
そして後日の商談であらためて商品の説明を行い、ご注文いただけるよう全力を尽くします。
以上のようなフォローを踏まえて受注をいただいております。
展示会に出展するだけで注文をいただけるわけではないのです。
この話をした時に、この社長さんは愕然とされておりました。
そんなにたいへんならば、ウチじゃ難しいのではないかと。
そこで、当社の営業代行のご提案をさせていただいたところ、ご契約くださることになりました。
自社の与件でどこまでできるのかを冷静に捉え、できないところは外注することも選択肢の1つです。
卸の商いをするために人を雇用するのも1つですが、人手不足の世の中でそれも難しく、ましてや売上が立っていない中、人件費を固定費として支払わなければならないのもハードルが高いです。
展示会の後のフォローが必要だということが最初から認識しておいて、それを回すためにどう仕組みを組むかを逆算で考えながら商品を作っていく必要があるのです。
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