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先日、とある商品を「もっと売れるようにできますか?」というご相談を受けました。


メーカーさんへ出向いて、商品そのものを見て、商品に対するこだわりをお聞きした上で私が思ったのは、「その商品の価値がしっかりお客様に伝わっていない」ということでした。


そこで、商品パッケージのデザインをリニューアルし、価値が伝わるPOPを作成することを、仕事としてお受けしました。


当社はワンストップでのプロデュースもおこなっております。デザインや写真撮影などもお任せください。

 

デザインが出来上がり、包装資材の原価が出揃ったところで、販売価格を決めることになりました。


原材料、包装紙材などの金額を1つ1つ聞いていくと、違和感がありました。


まず、包装紙材の値段が高く感じました。


聞けば、既成パッケージを仕入れておられたのですが、もっと安いものが手に入るのではと思いお伝えしました。

 

次に人件費。


パッケージに入れてシールを貼って商品に仕上げる作業を外注されていていたのですが、値段を見て交渉の余地があるのではないかと思いました。


ただ単に下げてもらうのではなく、リニューアルによって販売数量を増やしていくつもりなので、それにより単価は下がっても金額としては増える旨をお伝えくださいと言いました。

 

次にケース入数。


今までに取り扱ってもらってる販売店さんが計3件しかなく、社長さんご自身で納品に行っているとのことでした。

 

しかし、発注ロットは決まっておらず、言われた数を持って行くというカタチだったそうです。


社長さんご自身で持って行けば送料がかかってないように見えるかも知れませんが、見えない社長の人件費はかかっています。 


そのやり方だと販路拡大を見込めないと思い、1ケースに何個入れて1ロットとするかを協議しました。

 

最初に社長さんが言われたのは、販売価格500円のものを20個という数量でした。

 

しかし私は40個を主張しました。 


1ロットの数量×販売価格が2万円前後であることが望ましいと、今までの経験でわかっているからです。 

 

これだけでも、送料は社長さんの考えよりも割安になりました。


そしてそもそも、ロットが決まっていなかったことも問題であると思います。商談するごとにその場でロットを決めなどとなると、正確な計算はできないはずです。


事前にロットも決めておいて原価を洗い出し、何掛までなら取引可能という掛率の下限も決めて商談にのぞみましょう。


原価を全て洗い出した結果、今までは売れば売るほど赤字になっていたことが判明しました。


現時点での原価が出揃って、掛率の下限を決めて、それで利益が出る販売価格を仮に設定しました。

 

やはり希望する販売価格よりも少し高くなることがわかりました。


そこで、先に述べた包材や外注費を下げるよう、動いていただくことになりました。


地元の近場の産直市場に委託で置いてもらうという商いだと、掛率も緩めです。

 

しかし、販路を拡大して全国に広めたいというようなお考えであれば、営業活動はもちろん大事ですが、その前にその商品で利益が出ることが重要です。


卸は販売店さんにも儲けてもらわないと成立しない世界です。


が故に、1商品あたりの利益は薄くなります。


利益の薄さを数でカバーするのが卸です。


なので、原価計算ができていなければ致命傷になります。


手間もかかってたいへんな原価計算ですが、デビュー後に即値上げなんてことのないよう、デビュー前にしっかりおこなってください。


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