自社商品の注文をいただくために、食品メーカーの営業担当さんは日々頑張っておられます。
当社も自社商品や地域商社のクライアントさんの商品の注文をいただくために日々頑張っております。
展示会に出展するのも、全国のたくさんのバイヤーさんとお会いして、注文をいただくことが目的です。
展示会会期中に全力でバイヤーさんとお話しすることはもちろん、自社のブースにできるだけたくさんのバイヤーさんにお立ち寄りいただくために知恵を絞り、展示会後にはしっかりフォローして個別商談の機会をいただき、これまた全力で個別商談します。
先日とある展示会に当社のスタッフと共に、バイヤーとして行ってきました。
当社は卸すだけでなく、仕入れもしている会社だからです。
気になるメーカーさんのブースの前で足を止めると、担当さんが話しかけてきます。
自社の商品を知っていただきたい一心で、次々と自社の商品を説明して試食を薦めてきます。
メーカーさんはとにかく自社商品愛に溢れていて、そうであるが故話したいことがいっぱいです。
5分ほど一方的な説明が続き、聞いていてしんどくなり、私はそのブースを離れました。
この時間中、その担当さんは一度として、当社がどんな会社なのか、どんな商品を探しているのかなど、こちらのことを聞くことがありませんでした。
そのブースを去った後に、当社のスタッフに、「気をつけようね」と話をしました。
展示会もそうですし、直接営業するためにアポイントをとって個別商談をする時もそうなのですが、営業担当さんは自社商品のことばかり話してしまうことに気をつけるべきだと思います。
展示会も直接営業も、極論すれば「メーカーの勝手な都合」。
もちろん注文してほしいから展示会に出展したり直接営業するわけですが、そのタイミングがバイヤーさんのほしいタイミングとは限りませんし、そもそもバイヤーさんはあまり興味がない商品かもしれません。
あまり長くならない程度に一通り商品の説明をした上で、本当にするべきことはバイヤーさんの意見をたくさん聞くことです。
バイヤーさんから話し始めてくださる場合はとにかく聞きます。
バイヤーさんから話し始めてくださらない場合は、こちらから質問します。
展示会での挨拶であれば、名刺を見ながら、「御社はどういった会社様ですか?」から質問を起こしていきます。
直接営業では、例えば複数商品を紹介した場合、この中で一番興味を持ってくださる商品はどれですかなどと聞きます。
するとバイヤーさんはいくつか商品を選んでくださって、この商品だったらウチに合うかななどと話してくださいます。
一方で選ばれなかった商品も出てくるわけですが、選ばれなかった理由を聞いたりもします。
そんな話をしながら、商品を卸す以外にもバイヤーさんのためにできそうなことを探るため、色々質問します。
当社でいうと、和歌山企画をまるっと受けたり、販促物の提供をしたり、季節企画の提案をしたりもできるので、そういう要望がないかを質問しながら探っています。
バイヤーさんにいっぱい話してもらえばもらうほど、バイヤーさんが持っている要望がハッキリしてきます。
その要望にできる限り寄り添うために、何ができるのか。
そこをご提案するのが営業さんの仕事です。
一方的に自社商品の説明をして終わりというスタンスは、バイヤーさんの要望を無視してただ注文してほしいとお願いする「勝手な都合」なのです。
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