卸の見積書に納価が書かれていて、備考欄に送料別途と書かれていることがあります。
私はバイヤーとしての仕事もしておりますので、バイヤー目線で見ると、それはバイヤーの仕事を増やしているだけです。
バイヤーさんが担当されているお店に商品を納品する際に、バイヤーさんは送料込でどれだけの納価がかかるのかを知りたいのです。
なので送料別だと、送料をケース入数で割って、その金額を納価に足すという計算をバイヤーさんがしなければならないのです。
バイヤーさんに見積書の提出を求められた時、「見積書は送料別でも良いですか?」と聞けば、バイヤーさんからは「送料込の納価にしてください」と言われることが多いはずです。
たくさんのバイヤーさんと商談しているとわかってきますが、掛率の話になった時、バイヤーさんから送料について触れられることは、ほぼありません。
バイヤーさんは、掛率には送料が含まれるというのを大前提として考えていることの証です。
そこでメーカーさん側から、「送料は別でご提示します」と言ったとするなら、「この人あんまりこの世界のことわかってないかも」とマイナス評価に繋がるかもしれません。
もちろん、バイヤーさんが喉から手が出るほど欲しい商品であれば話は別です。
喉から手が出るほど欲しい商品なら、送料別の提示でも、バイヤーさんが喜んで自分で送料を割り出して納価に足す計算してくれるでしょう。
送料込で見積書を出す必要があるということは、商品1個の原価の中に、1個あたりの送料も入れておかなければならないということです。
例えば納品1ロット20個で送料が1,000円であれば、送料は1個あたり50円かかるという計算になります。この50円を原価に入れて計算しておいてください。
裏を返せば、納品ロットがもし決まっていない商品があるとすれば、それは原価が確定していないということです。
卸の世界に参入したばかりの方には、商品はできているけれどロットが決まっていないという方がいます。その方は、送料を原価に入れていないということになりますので、原価が確定していないということです。
原価が確定していなくて納価を決めることはやってはいけないことです。
ですので、初めて営業に行ったり展示会に出たりする際は、ロットは必ず決めておいてください。
ロットの基準は上代ベースで2万円くらいを基準に考えてください。2万円は、数々の商品をバイヤーとしても見てきた私の肌感覚の数字です。
例えば上代1,000円の商品なら20個ぐらいが納品1ロットとなります。
送料は、エリアによって価格が変わります。
送料込で原価を考えるということは、一律の送料の値段を決めないといけません。
バイヤーさんからもしアドバイスがあるとすれば、一番高いところと一番安いところの平均値を取ってくださと言われるかもしれません。
その考え方も1つだと思いますが、私は自社から一番遠いエリア(北海道・沖縄は除く)の送料で考えることにしています。
一番遠いエリアの送料を原価として計算しておけば、それよりも近いエリアに発送する際はその差額は利益となるわけです。
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