「自社の商品を百貨店で販売したい」という要望をよく聞きますが、百貨店で販売する方法は大きく5つあります。
「催事販売」「プロパー出店」「既存店舗への卸」「産直カタログ販売」「産直ECサイト販売」です。
5つの販売方法で、全くの新規から百貨店と関係性を築こうと思えば、催事販売から入っていくのが良いと思います。催事販売で取引できれば、他の4つへ繋げていく足がかりとなります。
ちなみに私は昔、自社のチーズケーキの販売で全国83箇所で催事をした経験があります。日数にすると約2,000日催事の現場に立っていたことになります。
百貨店での催事販売は、だいたい期間が1週間ぐらいとなります。たくさんのお客様が来店する百貨店への出展は、お客様への商品やブランド認知に適しています。もちろん百貨店の担当さんにも認知してもらえて、今後の百貨店とのお付き合いの足がかりとなります。ただしリスクもあります。
百貨店催事出店のリスクは、損益分岐点が高いことです。商品原価、販売人件費(従業員またはマネキンさんと呼ばれる販売員人材派遣)、従業員の旅費交通費、百貨店出店料(売上に対しての%)、商品や備品の配送料などをペイしないと利益が発生しません。
百貨店催事は、百貨店側が期間中にこれくらいは売ってほしいという予算があります。その予算を達成するためにメーカーは商品の準備をするわけですが、もしその予算に達しなければ、多くの在庫を残してしまうことになります。最悪に売れないことも想定しておく必要があります。
百貨店催事で、思うように商品が売れなかったとしても、百貨店の担当さんは最終日に「天気が悪かったからですかね〜」「今週客数が伸びなくて。。」なんて言って終わりですが、こちらには多大なる在庫が残ります。だから期間前に担当さんから言われる予算は話半分で聞いておくべきです。
百貨店催事で商品が大きく売れ残って赤字になって、その在庫を消化するためにまた催事に出店してまた赤字になったら、赤字の無限ループです。恥ずかしながら、以前そういう経験をイヤというほどやってきました。だからみなさんにはそうなってほしくないのです。
自店の売上が下がってきた時、百貨店催事は外で利益を得てブランド認知もできる最良の方法のように感じてしまいます。しかしそううまく話が進むことは少ないです。1週間の出店会期の初日に大コケした時の残り6日の長さは地獄です。そんな体験を今まで何度もしてきました。
どこの百貨店に出店するか選ぶことが大切になります。地方の百貨店だと、1週間ではなく週末だけでOKの場合もありますので、できるだけリスクを下げられる選択をしていただければと思います。
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